バレンタインのキセキ。





あー、起こしてくれて
ありがとさん♪



「ココ」


そう言って指差す場所は、竜のノート。現在授業中の社会のノート。の、端っこ。



『え?』って思ったけどよく見ると、ウザいくらいに綺麗な字で


"5時間目サボって屋上行こーぜ"



パッと顔を上げると竜が表情だけで

"OKするよなぁ?しなかったらどうなるか分かってんだろうなぁ?"

と語っていた。



『あぃ、行きます〜』


と、あたしはテキトーに返事を返した。




昼休みに『あたし等5時間目休むから〜』と、実咲達にだけ教えておいた。




なんだかんだで5時間目。



先生にありがちな言い訳をしてサボる。


実咲達以外からの
目がめちゃ怖かったけど…

気にしな〜い☆


あたしポジティブですから♪




ギィと音をたて開くドア。

あたし達は屋上のコンクリートの床に足を着く。



今思ったけど、


普通こんな風に屋上これないよね。


普通ドア開くわけないよね?

鍵は先生が持ってるはずだよね?


…竜の手にあるのは鍵じゃないよねι?