それから他愛もない会話を交わしていると、
いつの間にか家付近に来ていた。



『竜、あたしんちあと少し』

「分かった」


『ここ』


あたしは家を指差し、立ち止まる。


「…真李奈の少しって、まぢで少しだよな」


苦笑いであたしを見てくる失礼な竜さん。



だってさ、だってさ、うん。←




「んま、いーけど。じゃーな」


『バイバーイ♪ありがとねー!って竜って家何丁目?』


竜も三丁目だとずっと思ってたあたしは、三丁内とは違う方向を向き、家に帰って行くから驚いた。



「…五丁目!じゃーな!オレは走る!!」


最後の言葉は意味不明だったけど…

マジで走って行ったけど…


五丁目って三丁目から遠いじゃん。


なのに送ってくれたの?


ペア二組ずつで帰ったから??


まぁ、何だかは分かんないけど……、



優しい。


竜って優しい。



そしてあたしは顔をあげ、竜の走ってる方を見る。



もう小さくなってきてる姿を見て、あたしの胸はドキドキしていた。


あたし…、竜に一目惚れした??