バレンタインのキセキ。





でも、そんな風につくらせてしまったのは、あたしの所為(せい)。


そう思うと、胸が苦しくなった。





「今のこと、忘れてくんねぇ?」


『へ?』






そう言ったと同時にゴンドラのドアが開く。




「お疲れ様でした〜」



スタッフさんがそう言ったときに、あぁ、もう2周終わったんだ、と理解できた。








「よし、帰るか」


『う、うん』




二人で出口までいくとフリーパスを腕から外して、あたしは記念に。と、バッグの中に入れた。



そのままバス停まで歩くと、丁度バスが来た。



ずっと沈黙だから、バスが早く来てよかったと思った。



待ってる間ずっと
沈黙ってのは、気まずすぎるもんね。





あっ、けどバスの中も沈黙か…




バスに乗り込むと、人があまりいなかった。



こんなときに限ってついてない。





女子高生とかいれば大抵うるさいけど、今に限っていなくて、シンとしていた。




「1番後ろ行くか」


そう行った竜は1番後ろへ向かう。


あたしはその後に続いて竜を追った。