バレンタインのキセキ。





「真李奈…」


『ん?』


「真李奈だっつってんの//」


かすかに顔を赤めながら、手で口を隠すようにして、あたしに、はっきりとそう言った。





…………やばい。


あたし、ついに幻聴が…


竜の好きな人があたしって
言ってる…



って…





『えぇえ!?あたし!?』



竜は静かに頷く。









え?

本当なの?




竜があたしを好き?

え?え?え?




嬉しいけど、なんかモヤモヤする…。



さっきの不安だ。


好きだけど…、他にも竜の事を好きっていう人は多くて、あたしはそんな人達にかないそうにはない。







どうするべき?


嬉しいけどさ、不安…。








「返事、ちょーだい?」



こんな時に、可愛くちょーだいなんて言ってきて…。




どうする?


どうする?あたし。






何ていうべき?






迷ってる間にもう頂上なんかとっくに過ぎてて、二周目に入るところだった。


















『ごめん……、わかんない』