《20●●年 7月7日 晴れ
今日がやって来てしまった。
来てほしかった気持ちが35%、来てほしくなかった気持ちが65%・・・いや、90%だ。
今日、夏歩が他の男の元にいった。
愛子に似た笑顔で純白のウエディングドレスを着た夏歩はとても綺麗だった。
夏歩の姿を見た瞬間、これまでの夏歩との思い出が一気に思い出した。
あんなに小さかった夏歩が、
"パパのお嫁さんになる"と言っていた夏歩が
自分の手から旅立つ・・・夏歩のドレス姿を見てやっと実感した。
手を焼かせる子ではなかった。
俺たち親を困らせる子ではなかった。
いつも笑って、人に優しくて、純粋で、本当に良い子だった。
一生会えない訳ではない。
ただ俺たちから離れるだけ。
それがなにより寂しかった。
でも俺もお義父さんたちをそんな気持ちにさしてしまったんだ。
馬鹿みたいに我が儘なんて言ってられない。
夏歩、夏歩が選んだ人ならきっと優しい人だろう。
2人で頑張ってこれからを過ごせばいい。
辛くなったり、帰りたくなったら、俺たちの所に戻ってくればいい。
俺たちはいつでもお前の味方だ。
これからはまた愛子と2人だ。
夏歩がいなくて寂しいけど愛子がいてくれたら幸せだ。》

