宏太と結婚して30年・・・。
宏太はもうこの世にはいない。
3年前、交通事故で亡くなった。
夏歩が結婚して1ヶ月後のことだった。
「お母さん」
「なに?」
「昨日ね、お父さんの部屋の本棚をいじってたの。そうしたらね」
夏歩は気まずそうにあたしの目の前に1冊のノートを出した。
「なに、これ?」
「開けてみて」
1ページを開くと懐かしい字がそこにはあった。
《20**年 4月6日 晴れ》
「宏太の字・・・」
「多分お父さんの日記だと思うの」
「宏太の・・・?」
日記を書いてるなんて知らなかった・・・。
ページに目を向けた。
《20**年 4月6日 晴れ
今日は晴子と信の結婚式だった。
ずっと大好きだった晴子が結婚する・・・俺はとても辛く、晴子とこれからずっといられる信が心底羨ましかった。
でも今この日記を書いている俺は心の底から2人の結婚を祝福している。
それは愛子という存在がいてくれたからだ。
愛子を何度も傷つけた。
何度も酷いことをしてきた。
だからこれからは愛子がずっと俺の隣で笑っていられるように、愛子を愛し続けよう。
これからの人生を形に残したくて今書いている。
忘れたくないことをここに書いていこう。》
日記を書いてるなんて知らなかった。

