「晴子っ」
宏太が大きな声で晴子ちゃんを呼んだ。
初めて聞いた宏太が発した"晴子"。
「え・・・宏太が晴子って呼んだの初めてだね」
何となく晴子ちゃんが寂しそうな顔をしたのが分かったのは女の勘。
「宏太、なに?」
「結婚おめでとう!幸せになっ」
きっと心から宏太が言った言葉だと思う。
「ありがとう!宏太も愛子ちゃんもお幸せにっ」
晴子ちゃんは笑顔で信くんの元に行った。
晴子ちゃんはきっと幸せなんだろうな・・・。
「・・・愛子」
2人っきりになり、宏太は優しい声であたしを呼んだ。
「な、なに?」
あたしは恥ずかしくて噛んで返事をしてしまった。
「クックックッ、噛むなよ」
「だって~」
こんな優しい声であたしを呼んでもらえる日がくるなんて思ってもみなかったから正直戸惑ってしまう。
「今まで、いっぱい悲しませて、ごめんな」
ねぇ宏太。そんな悲しい顔しないで。
「今が幸せだからいいの」
今まで辛い?と聞かれたらはっきり言えるぐらい辛かった。
でもそんな辛い日々もこんな幸せが待っていたなら、何度だってまた我慢できる。
それぐらい今が幸せ。

