「宏太」
後ろから誰かが呼んだ。
「・・・・ハル」
宏太が小さな声で行った。
「なんで、途中から出て行ったの?あっ、愛子ちゃん」
晴子ちゃんはあたしを見つけると笑顔で近づいて来た。
「晴子ちゃん、結婚おめでとう」
一瞬え?って言う顔をする晴子ちゃんに、あたしは目で伝えた。
今さっき会ったことは内緒だから今初めて会ったようにして。と。
「ありがとうっ」
晴子ちゃんにあたしの気持ちが伝わったのか、晴子ちゃんは笑顔でお礼を言った。
「今からブーケトスなの。次の花嫁になれるように晴子ちゃんが取ってね」
晴子ちゃんにはお見合い結婚すると伝えていた。
でも、その事は内緒だと言っていたから何も知らないように、笑顔で言ってくれた。
でもそんな晴子ちゃんに宏太は笑って言った。
「そんなのいらねーよ」
花嫁からブーケを貰うと次に結婚できる・・・そんなジンクスがある事を宏太は知ってるの?
それとも知ってて言ってるの?
「なんで?」
流れそうな涙を我慢しながらあたしは宏太に聞いた。
「だって、ブーケなんて取らなくても俺たちが次に結婚するし」
宏太は当たり前のような顔をして言った。

