「来て早々なんだけどさ」
宏太は気まずそうにあたしたちを見た。
「なに?」
晴子が本日5杯目のコーヒーに手を出しながら言った。
「晴子には言ったし・・・桜」
宏太から聞き慣れないあたしの名前が出た。
「なに?」
今度はあたしが言った。
「聞いたと思うけど、俺・・・結婚することになった」
「・・・そっか」
あたし・・・今どんな表情してるんだろ・・。
口を自分でも上げてるつもりだけど・・・ちゃんと上がってるのかな。
「やっぱり、いとこの晴子や桜にはちゃんと俺から伝えたくて今日言った」
「そうなんだ。それは直接聞けてあたしも嬉しいよ」
大丈夫。
あたし、ちゃんと笑えてる。
「招待状送るから、ちゃんと結婚式来いよ」
「もちろん行くよ」
晴子・・・。
そんな悲しい顔しないで。
あたしはちゃんと笑ってるよ・・・?
「じゃあ、俺愛子待たしてるから行くわ」
「・・・分かった。愛子さんにもよろしく伝えといてね」
「おう、じゃあな」
宏太は幸せそうな顔で手を振って帰って行った。

