やだ
やだ
頭に浮かぶのは蓮音の顔
「止めて!!」
悠基を突飛ばし
顔を背けた
「早和ちゃん………」
「何してんだよ」
悠基が切なく私の名前を呼んだ後
大好きな彼の声が聞こえた
「蓮音………」
「何って見てなかった?
彼女にキスしただけ」
ズキンッ
見てた?
見られたくなかった
私は涙が止まらず必死に2人にバレないように顔を隠した
「早和、お前コイツ好きな訳?」
言えない
嘘でも“好き”って言えない
「早和ちゃん好きって言わないとバラすよ?」
悠基が小声で私に言う
「悠基君………ごめん……嘘でも言えない……」
「じゃあバラすよ?」
「バラさないで……他の事なら何でもするから」
「何コソコソ話してんだよ。
早和、どうなんだよ」
「俺にキスして。
そしたら好きって言わなくていいよ」
蓮音の目の前でキスなんて………



