あたしはけだるそうに答える。

「でも告られたんでしょ?好きなら付き合っちゃえばいいじゃん。」

「そんな単純じゃないよ…」

あたしの返事に美咲が首を傾げる。

「そんな単純でしょ?何をそんな考えるコトがあんの?…引っかかってんのは、テッペイ君、とか?」

「はぁっ!?何でみんなしてテッペイが出てくんの?知ってんでしょ、テッペイはただの幼なじみっ!カンケーないよ。」

美咲の言葉に強く否定する。

「…ならいいけど。アリスさ、あたしがテッペイ君のこと好きだから、遠慮してるとかない?もし…」

美咲の言葉を、あたしは途中でさえぎる。

「ストップっ!それはないから。あたしはホントにテッペイの事は幼なじみ以上の気持ちはないから、だから安心して!あたしは美咲の恋、マジで応援してんだからね。」

あたしの言葉に、美咲が笑顔になる。

女のあたしでもドキッとするぐらい可愛い笑顔。

「ありがとっ☆」

その時何故か胸にチクッと針で刺されたみたいな痛みが走る。

何だろう。

何でもない…よね?