その時、先に視線をそらしたのは、つかさ兄だった。 「っていうか、その制服。なんとかしないとな。」 そう言って、何もなかったみたいに、また歩きだすから。 あたしは小走りで彼についていく。 …ねぇ、さっきのは何だったの? 聞きたいのに、聞けなくて。 あたしも何もなかったフリをする。 聞くのが怖い。 つかさ兄とも、この幼なじみのお兄ちゃんの関係が 崩れてしまったら… そう考えるのは、すごく怖くて。 あたしは何も気づかないフリをした。 自分が彼を意識してる事も。