え……
何これ……。
でも、新学期が始まってから、心の中でそうつぶやくことが何度も続いた。
バカ、ブス、キモイ
そんな言葉を殴り書きされて…落書きされていた教科書。
ロッカーに入れていた習字道具セットのカバンは、中身がなくなってからっぽになっていた。
そしてそのたび…
教室の片隅では岩本さんたちのグループの女子達が、あたしの反応を見て楽しんでいるようだった。
くっそぉ…
強く握りしめた拳。
あたしは唇を噛み締めながらも、何度もそうやって感情を抑えて我慢していた。
いつかは終わる。
そう思っていたから…
ただ黙って耐えていたんだ。
あたしには遥がいる。
だから…
こんなことぐらい…全然…平気。
平気だよ。