『お前なぁ〜』
圭はそう言って、あたしの頭を軽くポンッとたたいて。
火が消えてしまったあたしの花火を、そっと取り上げてバケツへと入れてくれた。
『まだこんなに残ってるし、続きはまた明日な!』
そして、花火を片付けると、二軒隣にあるあたしの家の前まで一緒に歩いてくれたんだ。
『宿題サンキュー。ゆっくり寝ろよ』
『うんっ』
『明日起きたらまたテキトーに来て』
『うん、わかった』
『じゃあな、おやすみ!また明日!』
『おやすみぃ』
そう言って家へと帰っていく圭の後ろ姿を見ていると、なんだか胸がキュンとなった。
圭にとっては、あたしはただの幼なじみ?
宿題を見せてくれる良い友達みたいなものなのかな?
ずっと近くにいるのに。
圭の心はずっと遠くに感じる。
幼なじみって…
なんだか難しい関係だね。



