あたしの心臓は、妙な音を立てて動いていく。 『じゃあね』 『おー!また明日な!』 変なドキドキを感じていたあたしは、圭の家の前から急いで自分の家へと帰った。 一体…なに? なんでこんなに…ドキドキしてるの? 小学校四年生の冬。 あたしは生まれて初めて感じた胸の高鳴りに、まだ自分では気付いてなかった。 それが――― 恋の始まりだということに。