『旅行楽しかった?』





月曜日。


登校したばかりのあたしに、遥がそう言って駆け寄ってきた。






『うん…』






そう答えたあたしは、この土日のことをふと思い出していた。




あれから結局、圭とはあんまり話が弾まなくなって。



色々観光とか巡ったわりに、今回の旅行ではいつもみたいに一緒に写真を撮ることも少なかった。






『どうした?なんかあったの?』




あたしの表情を見透かしてか、遥がそう聞いてくる。






『あ……うん…実はね』





『キモいんだけど!』


『Kさん調子乗りすぎじゃない?』





あたしが遥に熱海での出来事を話そうとした時、クラスメートの女子数人が、あたし達の方を見ながら次々に言葉を重ねていった。






『ただの幼なじみのくせにさ』



『うざいんだよね』



『なんか勘違いしてんじゃない?』





それは…


明らかにあたし達ではなく…あたしへの言葉だった。