『そろそろ戻るぞ!』 そして、しばらく波打際に一人で残っていたあたしに、圭はそう言って手招きをしてきた。 そしてあたしがそんな圭のもとに、黙って歩いていくと、圭も黙ったままで…あたし達は二人で旅館へと戻ったんだ。 『おかえり〜』 『楽しかったか?』 部屋に戻ったあたし達に、両方の親がそう言って声をかけてくる。 『うん』 『楽しかったよ』 あたし達はそれぞれそう答えると、一瞬妙にシーンとした空気が部屋中に流れていた。