学校では人気者な圭。
そんな圭が、今はあたしの目の前にいる。
今はあたしだけの圭。
なんかそう思えた気がして…ちょっとだけ幸せだった。
波の音と、潮風の匂い。
浜辺に着いたあたし達の目の前には、大きな海が広がってる。
『うわー!夏って感じ!』
太陽に照らされながら、波打際ではしゃぐ圭。
無邪気に笑うそんな姿は、昔から全然変わってない。
『静も来いよ!』
そう言って圭はあたしを呼んだ。
『やだ!濡れるもん』
あたしはそう言って圭を眺める。
『いいから来いって』
そう言いながら駆け寄ってきた圭は…
あたしの手を取ると、そのまま波打際まで引っ張っていった。



