離婚の原因が、白馬での出来事がきっかけになったことも。
お母さんが精神的な病気に罹っていたことも。
お母さんに圭介とは会わない、そう約束させられていたことも。
あたしがお母さんを裏切ったことも。
そしてそれが引き金になり、手首を切って…死んでしまったことも。
『お母さんを自殺させたあたしがさ……幸せになる資格なんてないから。だから……圭のことは……もう忘れるって決めたんだ』
『ちょ、ちょっと待てよ!』
『だってね………ずっと頭から離れないの。真っ赤な血も。手紙の言葉も……ずっとずっと頭の中から消えないんだよ?』
圭が大好きだった。
本当に大好きで。
好きで好きでどうしようもないくらい好きで。
ずっと一緒にいられたら……
きっと、あたしは幸せになれる、そう思ってた。
でもね、圭。
あたしの犯した罪は……
許されるものじゃない。
ちゃんと罰を受けなきゃ…いけないの。



