『静菜!』

『良かった…ここにいたのか…』




突然、そんな声が響いて。



振り返ると同時に―――



おばあちゃんがあたしを抱きしめていた。







『心配するじゃないか、何も言わずにいなくなったりしたら』






そしておじいちゃんが、そう言ってあたしの頭を撫でた。







『おば……おじいちゃ……』


『もう泣かないでいいから』


『どうして?あたしのせいで…お母さん……死んじゃったんだよ?』


『そうじゃないよ静菜。静菜のせいでも、誰のせいでもない。ほら、雨に濡れたら風邪ひくぞ』






おじいちゃんはそう言うと、おばあちゃんと一緒にあたしの肩を抱き寄せながら、会館へと連れ戻してくれた。






あたしのこと、怨んでないの?



憎んでないの?





なんでこんなに……


優しいの?