会館の外には、ひんやりした冷たい風が吹いていて。
あたしの髪を、サーッと靡かせていく。
そして外に出て少し歩いた時…
冷たい雨が、頬に当たったような気がして。
あたしはそっと夜空を見上げた。
お母さんがいなくなったら。
静菜は自由になれるから。
そんな言葉を残して………
お母さんは空へと旅立っていった。
だからお母さんがいなくなったら…
静菜は好きなように生きていきな。
そんな言葉を残して。
お母さんはあたしを置いて、一人で逝ってしまった。
お母さんはずっと見守ってるから。
ずっと、静菜の幸せを、願ってるからね。
そんな言葉を残して………
『うっ………っ…』
お母さんは、
あたしの幸せを。
あたしの自由を。
それだけを守るために。
あたしを守るために。
死を選んだんだね。



