お坊さんがお経を読み、参列者がお焼香をして。
みんながお母さんに向かって手を合わせて。
何かを伝えるかのように目を閉じていく。
人は亡くなってからも…
こんな風に想われて。
こんな風に愛される。
そしてそれはきっと……
亡くなった人間にも、伝わっているはずなんだろうなと、お母さんの遺影を見ながらあたしは思った。
喪主はおじいちゃんが努めていたから。
通夜が終わってからも、おばあちゃん達は通夜振る舞いという場でお酌をしたりだとか、まだまだ色々やることがあったらしく、あたしも会館にそのまま泊まることになり、誰もいなくなった会場で0時までの線香番を任された。



