そこにいたのは制服を着た凜で。
ゆっくりとあたし達親族へお辞儀をした凜は、お母さんの遺影に向かってまたお辞儀をすると…
お焼香をあげて、そのまま会場の外へと出て行った。
『凜!』
あたしはいてもたってもいられなくて。
会館を出ていく凜のことを追いかけていた。
『何?』
凜は―――
そう言ったまま、あたしをジッと見つめていた。
『あの………ありがとう』
『何が?私、お礼言われるようなこと何もしてないんだけど』
『えっ?』
『親友のお母さんのお通夜に来るの、当たり前でしょ?私もおばさんのこと知ってるんだし』
凜はそう言うと―――
あたしを見て、優しく微笑んだ。
凜………



