『手紙…?』


『うん。だからそれは机の上に置いてあるから。とにかく早く帰ってきなさい』







電話を切ったあたしは、受付の人にお辞儀をすると、駆け足で病院を飛び出した。








お母さんが……


あたしに宛てて書いた手紙。





あたしに……






そう思えば思うほど。



無我夢中で。



ただひたすら…


家までの道程を走り続けた。








ガチャ……




そして家に着くと。


そのまま2階へとバタバタと登った。






『はぁっ、はぁ……』





短く息が切れる。



こんなに本気で走って息を切らしたのは…

すごく久しぶりなような気がした。