『もしもし…』
『おばあちゃん?あたし、静菜だけど…』
受付に行くと、電話を貸してくれたから。
あたしはすぐに家に電話をかけた。
『静菜……あんた、どこ行ってたの』
『……』
『お母さんね。手の施しようがないくらい、傷が深かったみたいで……出血がひどすぎて…ダメだったんだって』
『……』
『抗鬱剤と睡眠薬も大量に飲んでたらしくて……だから胃の洗浄もしたみたいなんだけど……っ……うっ……』
おばあちゃんは……
そう言うと、声を押し殺すようにして…泣いてた。
まさか死ぬなんて……
思ってなかったんだ。
だって…
手首を切る人なんて…いっぱいいるじゃん。
なのに何で?
何でお母さんは死んじゃったの?
何で……
『静菜の部屋の机の上にね、あんたに宛てた手紙があったの。おばあちゃんはまだ見てないけど…多分あの子が最後に書いたものだと思うから』