『お父さんも』
『ん?』
『老けたよね』
『ふ、老けたか?』
思わず二人して笑ってた。
なんか……会えなかった時間がウソみたいに。
穏やかな気持ちで、笑えたんだ。
『入るか?』
『うんっ』
お父さんがそう言って家を指さしたから。
あたしは嬉しくなって大きくうなずいた。
『わぁー。全っ然変わってないし』
『だろ?ほぼそのまんまだからな』
『ふふっ、だね』
足を踏み入れた懐かしい家の中は。
家具の配置も。
ぬいぐるみをおいていた場所も。
ほとんど変わっていなかった。
ただちょっと…
散らかってる感じで。



