ガチャ………
と、その時―――
『静菜、帰ってたの』
おばあちゃんがそう言って帰ってきて。
あたしはたまらず泣きながらおばあちゃんに飛びついた。
『え?どうしたの?』
おばあちゃんはビックリしてあたしにそう聞く。
『おか……お母さんがっ……お風呂で……』
『お風呂?』
おばあちゃんはあたしの言葉を聞いた瞬間、急いで浴室へと走っていった。
『貴子!貴子!し、静菜!救急車!救急車呼んで!』
浴室からおばあちゃんの声が響いてくる。
真っ赤な赤い血。
お母さんの体に流れていた…
たくさんの血。
流れていった。
冷たい水と一緒に。
冷たく…流れていったんだ。



