『おはよーっ』

『おはー!』





教室に入ると、みんながそう言って声を掛け合う。




あたしがこうしてクラスのみんなに溶け込めたのも、凜がいたからだった。




凜が……暗くふさぎ込んでいたあたしを助けてくれたから。




凜がいたから……今の明るいあたしがあるんだよね。





席に着いて改めてそう感じながら、賑わう教室内を見渡した。





『一時間目ってなんだっけ?』


『数学!』





前の席の二人がそんなやり取りをする。



数学か………




そう思いながら、カバンから数学の教科書を取り出した。