『いってきます……』
『静菜朝ご飯は?』
『いらない…食欲ないから』
結局あたしはそう言って、昨日の夜から何も口にしないまま家を出た。
お母さんのいないあの空間で。
おじいちゃんとおばあちゃんの三人で食卓を囲むのも…なんか息が詰まる気がしたから。
一刻も早く―――
あたしは家を出たかったんだ。
いつもと変わらない朝のにおい。
変わらない……通学路。
なのに。
歩いていると…なんだかまた、視界が滲んでいく。
変わらないと思ってた。
ずっと……
変わらないって信じてた。
この気持ちだけは……
守り抜く、そう決めたのに。
あたしの恋が……
お母さんを苦しめて。
おばあちゃん達まで巻き込んで。
みんなから笑顔を奪ってしまう。
そう思うと―――
この恋を、想いを。
貫き通していいのかが…分からなくなっていった。



