声が聞きたい。
今すぐ……圭の声が。
でも……壊れてしまった携帯では、どうすることもできなくて。
ただ長い夜が明けるのを…あたしはずっと待ち続けた。
そして―――
朝を迎え、学校の支度をしたあたしは、カバンに入れておいた圭との昨日のプリクラを、学校のカバンへと入れ直した。
こんなものまでもし見つかったら……
お母さん、ほんとに倒れてしまうかもしれないし。
『おはよ……』
リビングへと顔を出すと、そこにはおじいちゃんとおばあちゃんの姿しかなかった。
お母さん…大丈夫かな?
そう心配した半面……
いなくてちょっとホッとしてる自分もいた。



