『やめっ……』
『あんたが悪いんでしょ?あんたが……お母さんのことを裏切って……圭介なんかと…会うからじゃない!』
『だって……』
『だってじゃないわよ!何あの圭介からのメールは?もっと一緒にいたかったって。何?もっと抱きしめてたかったって……圭介と今日なにしてたのよ!!』
泣きながら……お母さんは叫ぶようにあたしにそう言った。
きっとお母さんは……
圭介から届いたメールを見たんだ。
あたしもまだ見ていない、そのメールを。
『貴子!?どうしたの?ちょっと、落ち着きなさい!』
おばあちゃんがお母さんの叫ぶようなうるさい声に気付いて、階段を駆け登ってきた。
『もう静菜なんていらない!もう……顔も見たくないわ……』
そう言って泣き崩れているお母さんの肩を抱えるようにして、おばあちゃんは一階へと降りていく。
あたしは……
床に落ちていた携帯を拾うと、どうしていいのか分からず…そのまま自分の部屋へと戻った。



