ドアの隙間から、そっと部屋の中をのぞいた。




ウソ………





そこには……あたしの携帯を手にしたお母さんの姿があった。






ドンッ……



思わず後ずさりしたあたしの体が、壁へとぶつかり。



廊下にそんな音が響いて。






『静菜……』





その音に反応するかのように……




お母さんは部屋から出てきてあたしをジッと睨むように見てきた。







『あんたって子は……』




バシッ…

バシッバシッ……




瞬きする時間もないうちに。


平手打ちのビンタが、三回。


あたしの両側の頬を往復するように当てられた。