『ただいまー』
家に帰ったあたしは、リビングをのぞいてお母さん達にそれだけを言うと、そのまま自分の部屋へと直行して。
そのままゴロンとベッドに横になった。
今日一日をゆっくりと振り返る。
そして、ずっと繋いでいた右手を、天井へと向けた。
なんか…まだ残ってる気がしたんだ。
圭の温もりが。
『はぁー……』
さっき別れたばかりなのに…
またすぐに会いたくて。
深い深いため息がこぼれた。
『静菜〜』
でも2階へと登って近付いてくるお母さんの声が聞こえて。
なんだかハッとしたあたしは甘い時間から醒めていく。
『ねぇ、先お風呂入っちゃいなよ』
『あ、うん!分かった』
そして部屋に入ってきたお母さんはあたしにそう言うと、すぐにまた一階へと降りていった。