『もうっ!大丈夫だよ、あたし達は』


『うん…』


『だって今日、記念日でしょ?』


『あぁ。だよな。そうだよな』


『また帰ったら連絡して。待ってるから』


『おー。分かった!ごめんな、変なこと言って。じゃ、またな!』






圭はそう言うと、くるっと後ろを向いて。


そのまま手を振りながら帰っていった。







でも、だんだん見えなくなっていく後ろ姿が…


なんだかほんとに消えてしまいそうで。




あたしは圭の姿が見えなくなるまで、じっとその姿を見送っていた。