『あのねっ……昨日ね……私…大倉く……フラれちゃっ……』
溢れてくる涙で、凜は言葉が詰まっていた。
やっぱり……
圭のことだよね……。
複雑な罪悪感を感じながら、あたしは凜の肩にそっと手を回した。
『大丈夫だよ、凜。あたしがいるじゃん。ねっ?』
本心だった。
凜は大切な友達で。
泣いている顔を見ているのは…本当に可哀相で胸が痛かった。
でも、凜か圭か。
昨日そう考えた時、ズルイかもしれないけど…
あたしはやっぱり圭を選んでたんだ。
だから……
凜には隠し通す、そう決めた。
圭も凜も、あたしにとって大切で。
失いたくない人だから。



