『あ、ごめん。今電話、大丈夫？』
『うん…』
携帯から聞こえる圭の声。
優しい…愛しい…大好きな声。
『吉田さんには好きな人が静だってことは言ってないから。だからさ、全部静に任せるよ。吉田さんに正直に全部話すか…このままもう内緒にしておくか』
『えっ？あぁ……うん……』
そっか。
凜には何もバレてないんだよね。
だったら……
わざわざ話す必要なんてないのかな。
『圭はこのまま黙っててもいいと思う？』
『俺は……ぶっちゃけちゃんと話しておくべきだと思うけど』
『そう…だよね』
圭は真っすぐな人で。
ズルイことなんてしない。
できる人じゃないもんね。
『でもさ、もし話して静と吉田さんが仲悪くなるぐらいだったら話さないでいいと思うよ。だって静も辛いだろ？俺は静に嫌な思いはしてほしくないし』
『うん……』
『まぁいいじゃん？俺は何があってもお前が好きだし。お前も…だよな？』
そう聞いてきた圭の声が可愛いくて。
あたしは浮かれてしまってたんだと思う。
