『あ、そういえばさぁ、静菜の好きな人って誰なの?』 でも、ふと思い出したかのように、凜はあたしにそう聞いてきた。 だけど……―― 『恥ずかしいからまた今度ね!』 まだすぐ近くには佐倉さんもいたから…あたしは照れてるフリをしながらその話をそうやって受け流した。 『もぅっ!後で絶対教えてよねー!?』 凜はつまらなそうに口を尖らせていたけど。 あたしは気付いていないフリをしながら、何も答えずに自分の席へと腰をおろした。