『だったらさ、やっぱりあの時隠さずにちゃんと話しておけば良かったな』
あたしの話を聞き終えた圭は、そう言って少し寂しげな顔をしていた。
『まぁでも…一番仲のいい友達じゃな…静は言い出しにくかったよな』
『うん…凜は…大切な友達だから…』
『そっか……』
『でもね、でも…圭も大切な人だから……だから…どうすればいいのか分からないんだ』
凜は大切な友達。
でも、圭も大切な大好きな人。
恋か友情か。
そんなの比べるものじゃないけど。
だんだん明確になっていく。
どちらが大切かってことが。
でも分かっていても……
どちらかを選ぶことは…あたしにはできなかった。
