『圭も…かっこよくなったじゃん』
『そうか?』
『うん、なったよー』
『あのさ……お前、携帯持ってないの?』
『あ……持ち始めたとこだけど』
『マジ?じゃあさ』
それから圭はポケットから携帯を取り出すと、先にあたしの番号とアドレスを聞いて、すぐに自分のアドレスと電話番号をあたしの携帯に送ってくれた。
『俺、部活戻んなきゃなんないから。また連絡する』
『えっ?抜け出してきたの?』
『おー。腹痛くてピーピーしてっからトイレ行ってくるって言ってさ』
そう言って笑った圭の笑顔は…
昔から変わらない…
優しい圭の笑顔だった。
『そろそろ時間ヤバいし行くわ!じゃあな!』
そして……――
圭は足早に学校へと駆けていった。
ねぇ圭。
あたしやっぱり…
圭のこと大好きみたい。
だってね、
今でもこんなにドキドキして。
胸がキュンって切なく痛むんだ。