『あーっ!静菜ーっ!』
その時……――
少し離れた場所で立ち尽くしていたあたしに気付いた凜は、そう言って嬉しそうな顔であたしに手招きをしてきて。
イコールあたしは……
気付いてしまったからには…二人の元まで行かなきゃならない状況になってしまった。
『同じ塾のね、大倉くん。サッカー部の練習試合で来てるんだって』
二人のもとまで歩いていったあたしに…
凜は嬉しそうな顔で…そう言った。
聞かなくても分かったんだ。
凜が好きだと言っていた人は…
きっと圭のことだったんだって。
話を聞く前から…
そんな気がしたの。
『そうなんだ……』
あたしは…
凜の顔も。
圭の顔も。
ちゃんと見ることができなかった。
だって…
こんな再会…
ありえないよ…………