『静菜ー!まだー?』
『ごめーん!まだ終わりそうにないや、先帰ってていいよー』
『えーっ…』
夏休みが開けて二学期を迎えたけど。
何故か数学の夏休みの宿題帳をなくしてしまったあたしは、夏休み明けから補習という名目で、居残り勉強をさせられていた。
『学校の中でブラブラしとくからさ、あと30分で終わらせてよねー』
あたしの課題が終わるのを待っていた凜は、そう言うと教室からトボトボと出て行く。
なんか凜は、好きな人との進展があったらしくて、それをあたしに話したいみたいで。
なんだかソワソワしているのが伝わってきていた。
早く終わらせて話聞いてあげなきゃな…
あたしはそう思いながら、補習の課題を淡々と済ませていった。