『ごめん……あたしすぐに帰らなきゃいけないの』
『えっ?何でだよ』
『何でってゆーか…帰らなきゃならないの』
『久しぶりに会えたんだしさ…あとちょっとだけ一緒にいたいんだけど』
圭はそう言って、あたしの右手をそっと握った。
『ごめ……んっ。ダメ!ダメなの……』
でも……――
あたしはそんな圭の手を、すぐに解いてそう言った。
『ダメって…何だよ?どういう意味?』
冷たい空気が…流れていく。
『ごめん……』
『ごめんって何なの?何謝ってんだよ、訳わかんねーし』
『……ごめん…』
あたしだって一緒にいたい。
ゆっくり話したいよ?
でも……
お母さんの言葉が…頭から離れなくて。
どうしようもなかった。



