『静菜!遅かったじゃない』
正門を出てすぐ、お母さんがそう言ってあたし達に近付いてきた。
『あ…ごめん、ちょっと遥と話してたんだ』
『あ、遥ちゃん。今まで静菜と仲良くしてくれてありがとね。これからも仲良しでいてもらえると嬉しいんだけど』
『はい!もちろんです!約束します!』
『良かったねー静菜っ』
お母さんは遥にそう言ってくれて。
遥もお母さんにそう言ってくれた。
新しい始まりは、環境を変えてしまうけど。
でも何も怖くないよ。
あたしには…
圭もいる。
遥もいる。
だから何も怖くない、そう思えた。