『そっか……』
『うん……』
それからしばらく。
お互い何も言葉を交わすこともなく、ただ向き合って俯いていたような気がする。
そして先に口を開いたのは圭の方で。
真面目な声で、あたしに言ってくれた。
『離れてもさ、俺はお前の幼なじみだから。だから転校先で何かされたら言ってこいよ!静に何かしてくる奴がいたらぶっ飛ばしにいくからさ』
『アハハッ。うん』
あたしはなんだか思わず笑っていて。
『お前笑うとこじゃねーし!言っただろ?俺がお前を守ってやるって』
そんなあたしに、圭はまた真面目な顔でそう言ってくれた。
『うん、言ってくれたね』
あの日…吹雪の中。
ゲレンデで言ってくれた。
“守ってやるから”って。
言ってくれたね。



