『おいっ静!』
遥と話をしながら通学路を歩いていると、うしろから圭の声がした。
『なにっ!?』
後ろを振り返ったあたしは、圭だと確認すると、そう聞き返した。
『なにってなんだよ!せっかく一緒に帰ってやろうかと思ったのに』
圭はそう言うと、あたし達をスッと通り過ぎていく。
『お前神谷と仲いいの?』
圭と一緒に歩いていたクラスメートの佐々木大輝が、圭に向かってそう聞いた。
『ん?仲いいっていうか…幼なじみみたいなもんだよな』
圭は佐々木にそう言いながら、なっ?とあたしの方を振り返る。
『うん』
確かに幼なじみみたいなもので。
否定することもなかったし、あたしはそう言って頷いた。