『静菜っ!!』
おじいちゃんの家までもうすぐだという道の途中。
目の前からあたしのもとへと駆け寄ってきたお母さんは、勢いよくあたしの名前を叫んで頬を叩いた。
『どこ行ってたの!?心配したんだからね!』
叩かれた頬はジーンとして痛かったけど。
何で叩かれなきゃなんないの?って…睨むようにお母さんの顔をジッと見つめた。
『ごめん…痛かったよね』
そしてお母さんはそんなあたしの瞳を見て…
そう謝ってきた。
『もうお父さんは帰ったから。とにかく家に帰ろう。ね?』
まるであたしの機嫌をとるかのように、お母さんは作り笑顔と優しい声でそう言うと、ゆっくりとあたしの前を歩いていった。