『では、これから二年間、卒業までみんなで仲良く楽しいクラスにしていきましょうね』
あたし達五年四組の担任は、藤井亜里寿という38歳の女の先生だった。
『つーかアリスって顔じゃねぇよな〜』
『ちょっ!バカ!声大きいってば!』
名前の順に、男女が並んで座っていた始めの席。
大倉 圭介と神谷静菜。
あたしの隣には、圭が座っていた。
出席番号も、名前の順だと同じ五番目。
同じクラスで隣同士。
なんか…
一気に距離が縮まった気がする。
『だってさ、アリスって感』
『もう!だからもっと小さな声で喋ってよ』
あたしは何度も話しかけてくる圭に、ちょっと呆れながらも、なんだか少し…楽しい気分だった。
新学期の始まり。
今日はなんだかいい日かも。