『そうなんだ……なんか、何て言えばいいのか分からないけど…早く元通りになってこっちに帰ってこれるといいね』





三学期が始まる始業式の日、学校に着いてすぐに遥にあの白馬のペンションでの出来事を話した。





『うん……でも今日朝からお母さんに車で学校まで送ってもらってさ。帰りも迎えに来るみたいなんだよね』


『じゃあしばらく一緒には帰れなくなっちゃうんだ…』


『そうだね…』





普通にできていたことができなくなっていくんだ。



普通に学校帰りに遥と話しながら下校したり、家に帰って着替えて…ランドセルを置いたら遊びに行ったりすることも。



できなくなっちゃうんだよね…。





『静!』




と、その時……



登校してきた圭に名前を呼ばれたあたしは、すぐに廊下へと連れ出された。






『大丈夫だったか?あれから何回家に行ってもずっとお前いないし会えなかったから…すっげー心配だったんだ』


『うん…あたしは大丈夫なんだけどね。お母さんがさ…。ずっとおじいちゃんの家にいるんだけど。学校もしばらくはおじいちゃんの家から通うことになるんだって』


『えっ!?通うってどうやって?歩ける距離じゃねーだろ?』


『車で送り迎えしてくれるんだって。だから今日も送ってこられたんだ』