でも、顔を赤らめながら楽しそうに盛り上がっているお父さんやお母さん達を見ていると、なんだか可笑しくって。
なんか楽しくなるんだよね。
『あいつらまだ飲んでるし。絶対夜中まで飲んでるだろうな』
食事を終えてからゆっくり温泉に浸かってきたけど。
部屋に戻っても、まだお母さん達はずっと親同士で話し込みながらみんなでお酒を飲んでいた。
『だね。もうあたし達は寝た方がいいんじゃない?』
10帖の和室が二間続きで繋がっている真ん中の襖をそっと閉めると、あたしは小さな声でそう言った。
『なぁ静』
『ん?』
『慎寝たんだけど』
『えっ?』
あたし達がヒソヒソとそんな話をしていた間に、一番年下の慎はすでに眠りについてしまっていた。



