ビュービューと鳴り響くように強い風の音。
リフトに乗るあたし達をゆらゆらと揺さぶるように雪を乗せた冷たい風が吹き荒れていく。
『マジでヤバそうだな』
『う…ん』
自分でお願いして乗ったくせに。
今さら少し怖じけづいてしまうくらい風も雪もすごくって。
こんな吹雪…
大丈夫なのかな?
『まぁとりあえずダッシュで滑ってペンション戻ろうぜ』
『うん』
でも圭がいたから…
なんか大丈夫な気がした。
『行くぞ!』
そしてあたし達は頂上に着くと、二人で急ぐように滑り出した。
でも、すぐに前が見えないくらい雪がゴーグルに張り付いていく。
雪が視界を邪魔して。
キツイ風が体を煽るように吹き荒れた。